2023年05月26日

「橋本千紘vsSareee〜5.16新宿」のほぼ全試合経過を書き起こし&感想〜序盤の主導権奪い合いから面白い

カテゴリー:女子プロレス

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 Sareee、WWEと契約満了後、日本国内での初試合。
 いきなり頂点級の対決。
 このカード、過去の対戦をサムライTVなどで見て、あまりの激しさに自分は衝撃を受けておりました、
 見逃せないなと配信を購入。


 たまに自分は、1回LIVEで見たあと、試合経過を書き起こすのです。弱視でもあるので確認のためにも。
 この記事ではそれを中心に私の感想つきで戦いぶりを紹介してみようと思います。
 なお、書き起こしは完璧でなく、若干省略している箇所はあります。

 長めのダイジェスト動画がアップされています。
【東スポ公式】Sareee】日本復帰戦ダイジェスト



橋本千紘vsDareee、試合経過&感想


 戦前は"闘い" をともに強調。
 またIGF事務所で会見を行うなど、アントニオ猪木さんの名前も多く聞かれた。
■日本復帰のSareeeが激白、WWEと再契約をしなかったワケ 自主興行で見せる「本当の"闘い"」 | ENCOUNT
https://encount.press/archives/443908/




 その辺も気にして見てみます。

▼30分1本勝負
 Sareee vs 橋本千紘

 Sareeeは日本で過去に使っていた曲、島谷ひとみ「太陽神」で入場。
 ちなみにセミに登場した旧姓・広田Sareeeもこの曲なので、流れたのは2度目。
 先に曲を戻すとわかってしまってよかったのでしょうか?(笑)。

 Sareee、ガウンを脱ぐとガッチリした体つきが飛び込んでくる。
 田中秀和リングアナの体重コールは61キロ。古いプロフィールだと48キロというのもある。
 かなり増量しているが、太った様子は全くなく、全体的に筋肉が大きくなったような。
 太ももの太さが凄い。
 彼女の身長なら理想的な身体なのでは。

 激しい攻防に「危ない危ない」と言われがちなのが昨今のプロレス界。でも、まずガッチリと頑丈そうな身体を作っておくというのは、そういう声を抑えるのに有効。
 もちろん、いくら丈夫でも怪我をする時はするのですが、信頼度は高まる。

 過去に橋本千紘と対戦した時は体格差をかなり感じたが、そこまで差があるようには見えない。

 レフェリーは李日韓。問題は全くないがなんでだろう?
 試合開始。
 レスリング攻防。
 橋本がバック奪うもすぐ離れる。
 今度は手四つ。
 橋本が力で押しつぶしに行くも、Sareeeはブリッジ。
 橋本がSareeeの上に乗るも微動だにせず。観客驚く。ストロングスタイル。
 Sareeeがそのままモンキーフリップ狙いからカサドーラ風な形よりフライングメイヤー。

 そしてロックアップ。
 ここまで組みあい方が全部違う。
 橋本が押し込むもSareeeも押し返す。
 すると橋本は、Sareeeの押す力を利用して"引き落とす"。あっさりグラウンドで上をとる。
 こういうの今のプロレスだとあまりないですね。
 ロックアップは、力比べの押し会いだけじゃないんです。引いてもいいんです。

 橋本はヒラリ反転、バックを奪う。
 今度はハンマーロックを奪い合う。
 橋本は、すっぽ抜かすような形でSareeeをマットに這わせヘッドロック。

 ヘッドロックのまま立ち上がり、この日初めてロープへ飛ばす。
 橋本の強烈なショルダータックル。観客どよめく。
 もう一度ロープに飛ばそうとするも、今度はSareeeがアームドラック。
 ちょっと変わった切り返し方をしたように見えたが、照明の逆光でよくわからず。
 そしてエプロン近くの場外にいる橋本へ、ロープの間をすり抜ける低空ドロップキック。これはアメリカ行く前から強烈で知られていたが、やっぱスゲエ。
 続けてSareeeがトップコーナーから場外へプランチャ。
 リングに戻り、Sareeeがミサイルキック。
 カウント2。

 5分経過。
 Sareeeがリバース・インディアンデスロック。
 手拍子を求める。これだと猪木リスペクトというより、井上京子さんに見えますな。前からこうでしたが。
 続き鎌固め。そのブリッジの力強さよ。
 スタンドになり、Sareeeがロープにふってドロップキック。NXTをいろんな意味で震撼させた技。
 カウント2。
 Sareeeはブレーンバスターを狙うも、これはさせたくない橋本が逆に抱え、アバランシュホールドぎみのボディスラム。すげえ。

 Sareeeがエルボー。エルボー合戦への流れ‥と思いきや、橋本の返したエルボーをSareeeはかわし低空タックル! おお、良いフェイント。
 しかし橋本は慌てることなく潰し、Sareeeの上をとる。
 これは驚いた。普通ならSareeeが意表をついたことでペース握れるはず。それをさせない。でも橋本のレスリング力おを考えれば納得ではないか。
 かなり細かい場面ですが、ここにちょっと"戦い"を感じたり。



 上のポジションをキープし続けた橋本は、強烈な片逆エビ硬めへ。
 絞め続けたあと技をとき立ち上がり、橋本はバックをとりジャーマン狙い。
 Sareeeがこらえると、コブラツイストに移行。うまい。そして強烈。更に腰攻め連続。
 「サリー」コール発生も、橋本はコブラからサイドスープレックスに移行し観客の声をため息に変える。

 橋本がコーナー串刺しラリアット。
 逆対角線に振りもう一発狙うも、Sareeeはセカンドコーナーに飛び乗りミサイルキック。
 効かないぞとすぐ立ち上がった橋本にSareeeがエルボー。
 ここでエルボー合戦。
 Sareeeが張り手? 怒った橋本は正面体当たりベイダーアタック。
 カウント2でSareeeは抑え込みを擦りぬけブリッジで立ち上がる。
 そして上から橋本を殴る殴る。そしてその場で飛んでフットスタンプ。エグさ健在。

 10分経過。
 Sareeeがブレーンバスター狙いも橋本が逆に持ち上げる。
 途中でこらえたSareeeが抱えられたままフロント・ネックロックへ。
 グラウンドになり三角絞めに移行。
 橋本は三角のまま抱えあげ、コーナーに向けパワーボム風に叩きつけ。
 しかしSareeeは放さず。
 コーナー宙吊りの腕十字硬め。ケンドーカシンばり。
 そしてそのまま、両者はトップロープを超え場外へ。
 ギリギリまで腕を決め続けていたので凄い落ち方になっていた。 
 Sareeeの強気っぷりが全面に出た、この試合を印象ずける1シーン。

 場外戦。
 Sareeeがアームブリーカー、ボディスラム。 
 Sareeeが机かイスの上(暗くて見えず)からフットスタンプ。
 客席まで入り乱闘。
 橋本がベイダーアタッグ一発で逆転。先にリングへ戻る。
 カウント14でSareeeもリングへ。
 橋本がコーナー串刺しラリアット狙いも、Sareeeはキックでカット。
 それでもラリアットを狙うが、Sareeeはワキ硬めへ。これは沸いた。
 橋本は脱出しようと体勢を変えていくが、Sareeeはリバース・アームバーのような形に変えて放さない。
 橋本がロープエスケープ。
 Sareee、一点集中は珍しいかな?

 15分経過。
 Sareeeが、WWEに行く前からのフィニッシャーな裏投げを狙うも橋本はこらえる。
 体勢がクルクルと入れ替わり、橋本がバックをとるも、Sareeeはカサドーラのような前方回転エビからフットスタンプに。
 続き走り込んでフットスタンプ。ボディへの低空ドロップキックのよう。
 更にトップコーナーからダイビング・フットスタンプ。観客悲鳴。
 もう一発狙ったか、Sareeeがトップコーナーに上がると橋本が追いかける。
 Sareeeが頭突き。ゴツっと鈍い音。NXTではできない。。

 Sareeeがトップコーナーから前方回転エビ=パワーボム狙いも、橋本は必至にロー+プつかみこらえる。
 あまり力強く橋本が踏ん張るため、「おおー」と歓声が。
 技でなくても沸かせてしまう橋本。

 Sareeeは橋本をトップロープごしエプロンに落とす。降りたという漢字科。
 何か狙ってSareeeはロープに走るが、橋本はリングに素早く戻り投げっぱなしのジャーマン。
 ええ、エプロンからロープすりぬけ、ロープ飛んだ相手もかわしたうえにジャーマンって。速い。

 すぐSareeeが立ち上がり、お返しの投げっぱなしジャーマン。かなりの高角度。
 すぐ今度は橋本がラリアット。
 ダブルダウン。
 カウント8で両者膝立ち、カウント解除。
 連打でなく一発一発ずつ打ち込みあうエルボー合戦。
 橋本のエルボーのほうが強い。
 ならばとSareeeは張り手。橋本もお返し。Sareeeは頭突き。
 橋本がラリアット、Sareeeはドロップキック。お互いダウンしない。
 橋本のラリアットをかわし、Sareeeがジャーマン・スープレックス・ホールド。
 カウント2。
 Sareeeは顔面へローリングソバット。もう一発ジャーマン狙うも、橋本はさせず強烈なラリアットお見舞い。
 橋本は水車落とし。
 カウント2。

 20分経過。
 橋本はパワーボム狙い。
 Sareeeがウラカンラナで切り返すも、橋本は更に切り返しエビ硬め抑え込み。
 カウント2。
 Sareeeが首をとらえての丸め込み。すいません技名を忘れた。
 カウント2。
 両者がエルボーを同時に撃ち合う。
 何度か同士討ち、橋本が打ち勝つ。
 Sareeeが張り手。橋本は高等部あたりにラリアット。
 ダウンするSareeeを引き起こし、投げっぱなしのジャーマン。
 Sareeeの体がグシャリ。
 続けて投げ捨てパワーボム。
 カウント2。
 とどめとばかりにジャーマン狙うも、Sareeはこらえる。
 橋本がロープに飛ぶと、Sareeeは捕まえて裏投げへ。
 続けて最終系のリストクラッチ式裏投げを狙うが橋本は阻止。
 Sareeeが頭突き、ジャンピングハイキック。
 Sareeeが正調の裏投げ。
 カウント2。
 Sareeeがロープに飛ぶと、橋本はバックを奪いジャーマン・スープレックス・ホールドへ。
 高角度、そしてブリッジがブレない完璧。
 オブライト完成でカウント3。
 一撃。でも説得力十二分。

■Sareee「日本の女子プロレスは最強」帰国初陣は黒星も手応え「世志琥が戻ってくるリングは守る」|よろず?ニュース
https://yorozoonews.jp/article/14909423
Sareeeはリング上で「やっぱり日本の女子プロレスは最強だな。今日は私の完敗だよ」と潔く認め「勝つまで何度でも挑戦してやる」とリベンジを誓った。そして会場の声援と拍手を受け、晴れ晴れとした表情で「みんな〜ただいま!たくさんの方が集まってくれて私は幸せ者です。私の夢はまだまだ続きます。私の諦めない気持ち、戦う気持ちを女子プロレス界に広げていきます。私にどうかついてきて下さい。私の覚悟を追いかけてほしいです」と訴えた。


 面白い試合でした。
 ただ、過去の対戦とは少し違うか。前は「どこまでやるんだ?」と見ている側が恐ろしくなるほど、終わりが見えない内容だったが、今回は2人の経験値が上がったこともあり、どっしり構えて戦っているように感じた。
 特に橋本千紘の凄さを改めて知らされた。
 単にパワーがあるだけでなく。細かいところでも唸らされる。
 納得の勝利です。

 Sareeeもスピードに力強さが加わっていて良い。
 ドロップキック。フットスタンプ、裏投げ、頭突きと言った技種は、前に戻った感じ。
 ただ、2年間のWWEでの成果が出たかと言えば微妙。
 経験値が違うので比較するのは違うのだが、Kairi(カイリ・セイン)のスターダムにおける日本復帰戦は、華やかさといい、間合いの使い方のうまさといい、WWEらしさが満点であった。
 逆に言えば、やはりSareee選手は日本向きということになるのでしょう。
 そこへの期待はかなりできました。

 ただ、NXTでの経験を捨てることもありません、そりゃそうなんですが。
 大会前から何度も名前を出しているアントニオ猪木さんは、"強さ"を持っているだけでなく、アメリカンプロレスも相当に上手かったと言われています。
 異種格闘技戦だけでなく、ガイジンレスラーとも名勝負を多く残している。
 部分的でなく、広くできるから、史上最高のプロレスラーなんだと思うのです。芯はぶれないままで。
 いやー、アントニオ猪木を追うってのは大変ですよね。

 とにかく見てよかった試合でした。
 戦前テーマとなっていた「戦い」はそこにあったか?
 それはまず「戦いのあるプロレス」を定義しないといけない。
 自分が今のところ答えとしてあるのは、激しいとか、当たりが強いとか、、関節技を使うとか、でなくて。「観客と闘う」も別として。
 まず「なるべく闘いぶりがナチュラルに見えるか」なんですよね。闘いのなかで不自然な動きが少ない試合。
 100%それなら格闘技そのものでいいんで、そうでない部分も少し入っていいんですが。
 そこに「強さ」も乗っかっていてほしい。
 更に、そのうえで面白く、観客を興奮させてほしい。
 今のところ自分はこんな漢字。また変わるかもしれないが。

 橋本千紘vsSareee、そういうものは、だいぶ見れたように思います。
 正直言って、そう思えた部分は橋本千紘側に大きい、やっぱ凄いんだよこのレスラーは。
 もっとちゃんと見ないと。
 そして、このあとのSareeeがどんな試合をしていくのかも大きな注目。女子プロレスをかき回してくれるでしょう。

 この展開も注目。世志琥は長期欠場中です。


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posted by sugi
2023年05月 17:16 | 女子プロレス