2023年04月15日

アクトレスガールズの大会振り返り記事「松井レポート」「松井所感」が面白い〜団体公式系で批評性を感じさせるものなんてほとんど無いよ

カテゴリー:女子プロレス

08172.png


 人材スカウトの優秀さは、文才まで含まれていたのか。
 女子プロレスファンの間で話題となってます。



松井珠紗が試合ごとにレポ

 "元"所属選手が様々な団体で多数活躍、注目されるアクトレスガールズだが、団体も"今"も興味深いものが。

 アクトレスガールズが公式サイトで更新している大会レポート「松井レポート」が読み物として面白い。
 書き手の松井珠紗さんは、キャリア4年半の、アクトレスガールズ中心選手の一人。

■松井珠紗 | Actwres girl'Z OFFICIAL WEBSITE
https://www.actwresgirlz.com/posts/41061699




 プレイヤーとしてレポートを書かれています。

■#松井レポート | Actwres girl'Z OFFICIAL WEBSITE
https://www.actwresgirlz.com/pages/6864979/matsuireport

 今年3月12日の後楽園ホール大会よりスタート。

 詳細な試合内容紹介、マイクの文字起こしがされていますが、これだけなら他の団体でもあります。
 注目は、試合ごとに書かれる「#松井所感」。

 試合についての感想を綴られるのですが、これがなかなか厳しい。
■#松井レポート 2023.3.24 ACTwrestling Step15 新木場公演 | Actwres girl'Z OFFICIAL WEBSITE
https://www.actwresgirlz.com/posts/42464554?categoryIds=7720614
 第2試合
鋭い技も次々に決まり、好試合ではあるのだが嫌な言い方をすれば凡戦。4人それぞれの意地やこの1戦への思い、そういう内側の気持ちを感じることは出来ず、試合内容とマイクの内容は正直伴っていない。喋った内容を本当に思っているのなら、試合はもっと熱く均衡するのでは。みんな良い大人だから揉めない距離感で関わることができる。だけどリングでは秘めるべきものまで全部出さないと面白くないと私は思っている。
私はなるの言うことが痛いほど分かる反面、前回自分の同期である未依さんが負けてすごく悔しかったし危機感を覚えていた。
このカードを見た時、第三者の私が想像していたのはもっともっと激しいものだった。勿体ないと思う気持ちが拭えない。
 別の試合。
今大会は第2〜メインまで正統派vsヒールという構図だった。ヒール軍は2つユニットがあるとは言え、そのたった2つがどちらもまだ発展途上。
そして蛇道衆が次から次へと乱入してくる試合は、さっきも第2試合で見たから私はちょっと辟易していた。マッチメイクの都合上仕方ないかもしれない。でもその上で飽きさせない工夫が必要だろうと思った。
ブルドーザー轟は少しずつ出来るようになってきた気がする。すごい悪役なのになぜか応援したくなる可愛さ、このまま持ち続けて欲しい。
夏葵は賢くて、すごく負けず嫌いなんだろう。試合中でもマイクでもその意地の強さが伝わる。ただの強さを目指しているのかな?個人的には、もっと愛嬌が湧き出るといいなぁと思う。夏葵は実直でとにかく可愛いやつだということを私はみんなに知って欲しい。

■#松井レポート 2023.4.1 ACTwrestling 蒲田公演 | Actwres girl'Z OFFICIAL WEBSITE
https://www.actwresgirlz.com/posts/42547903?categoryIds=7720614
結果的に茉莉さんの強さが際立った。セコンドの介入や凶器は中途半端。楽しくやるのは結構だけれど、あくまでも魅せるのは闘い。
そしてアレンがいまいち湧かないのは何故なのか。技も不発してないし、危なかしいところもないけど。私が考えるのは戦いに向き合う姿勢が少し足りてないんだと思う。これは営業妨害かもだけれど普段のアレンはめちゃくちゃ優しい人だから、ヒールとしては一皮吹っ切れないように見える。蛇道衆は凶器を使わなきゃ戦えないユニット、そう思われたら勿体ない。本当の強さの上に凶器等のラフファイトが入ってきたらこんなものじゃないだろう。もっと根本的な部分を模索して唯一無二のヒールを。

 客観的目線もあって、批評にもなってると思うのですよ。

 最近のプロレスって、とにかく選手を褒めがち。
 悪いところは目をつぶり、良いところを拾う。
 そうなってしまった理由はいろいろあるのだろうけど、"批評"なきジャンルってどうなんですかね。
 それを団体側が、公式サイトでやっていることに驚く。

 褒めるときももちろんある。高試合にはこんな漢字。
初見にも分かる、この2人には何かあったという空気感。初対戦となる菜摘さんとCHIAKIはスピード対パワーという構図で試合も分かりやすく均衡。菜摘さんによる裏切り者制裁マッチというわけだけど、私はThe RoyalにいたCHIAKIを思い出せない。CHIAKIには初めからヒールが向いていたのだろう。ヒール軍にこういうパワーファイターって絶対いる。もっともっとパワーを極めて、脇閉まらないくらいバキバキのマッチョとかになって欲しい。このマッチアップはこれからも注目カードになると思われる。
多分澄川菜摘はベストバウトメーカーか何かなんだろう。私自身のベストバウトも、聞かれたら澄川菜摘とのシングルを挙げる。オールマイティに対応できる菜摘さんには学ぶことばかりです。スーパーリスペクト。

 松井選手のプロレス観、アクトレスガール観がしっかりしてることが伝わるものも。
■#松井レポート 2023.4.6 ACTwrestling Step16 新木場公演 | Actwres girl'Z OFFICIAL WEBSITE
https://www.actwresgirlz.com/posts/42591091?categoryIds=7720614
 第1試合。
メインイベントでも遜色ないような強烈な技の数々。これは決して褒め言葉だけではない。アクトレスリングは「公演」。第1試合?メインイベントまでの流れと役割がある。アクトレスガールズは有難いことにリングを何も知らないお客様も多く見に来てくれる。その中で第1試合は「掴み」になる。第1試合は最も重要だと私はそう思っている。いかに分かりやすい内容で且つ選手自身のキャラクター性を出し、次の第2試合以降に期待を持たせるか。
出来ることを全部やればいいってわけじゃない。それは発表会だ。試合に限らずだが、盛り沢山詰め込むことは逆に何も印象には残らない。また、掴みこそやはりより丁寧に考えたいと思う。当たらないドロップキックで受け身は取れない、強そうに見えない技で痛そうには見えない、ダメージなさそうなのにダウンはできない。
アクトレスガールズはほぼ全員が女優。普通の芝居だって同じ。決められたシナリオに本当の感情を入れ、技術を持って表現をする。段取り芝居で感動はしない。だから同じ。舞台でもリングでも、嘘で人の心は動かせない。
せっかく人がやって人に魅せるのだから1番は感情を大事にしたいと思う。私自身も大切なことを思い直す良い機会になった。
お客様に見せているものを勉強などと言うと失礼になってしまうが、強いて言いたいことを誇張しているのみで、私もこの試合は感嘆しながら見ていた。皇希は流石に今は頭1つ抜けているが他もそう負けてない。(智香は別。) もっともっと食らいついて、切磋琢磨と世代交代をし続けて欲しいと思う。
 この大会は他のレポも面白い、リンク先で全文をぜひ。

 ちょっとプレッシャーになってしまうかな? 俺が褒め過ぎか(笑)
 でもこれは多くの人に読んでもらいたいのです。


 アクトレスガールズは2021年待つに鎖国状態に。。
 "プロレスではない"の宣言がいろいろ話題となった「アクトレスリング」もあるが、通常プロレスと変わらない試合も行われているようで。
 正直、そのあたりは自分もよくわかっていない。伝わってこない。
 なので発信力ある人が出てきたのは大きいでしょうね。


昨年から風香さんがアドバイザーに

 アクトレスガールズは、2022年8月より、元スターダムの風香さんをアドバイザーに迎え、様々な改革を行っています。
 以下のインタビューで、変えていく内容など詳しく語られています。
 必読。

■【アクトレスガールズ】風香アドバイザーインタビュー<前編> 「アクトレスガールズを守るために残った子が痛い目に遭うのは可哀想。何かお手伝いが出来れば、と入ってみたら……」 | プロレスTODAY
https://proresu-today.com/archives/207393/?utm_source=pocket_saves
■【アクトレスガールズ】風香アドバイザーインタビュー<後編>「体を痛めながらプロレスに打ち込んでいるのに『この痛みが報われていないな』と思う。いろんなメディアに出してあげたいし、海外や地方でも公演してアクトレスガールズを広めたい」 | プロレスTODAY
https://proresu-today.com/archives/207406/?utm_source=pocket_saves

■「『女優×プロレス=アクトレスガールズ』というテーマが伝わらない」スターダムの元GM・風香が語る新たな挑戦と苦悩
http://battle-news.com/?p=96099&utm_source=pocket_saves




 退団組だけでなく、現所属メンバーにも注目。



 個別記事ページ→ アクトレスガールズの大会振り返り記事「松井レポート」「松井所感」が面白い〜団体公式系で批評性を感じさせるものなんてほとんど無いよ

posted by sugi
2023年04月 04:07 | 女子プロレス