遅すぎますが書き残しておきます。
メイン・セミのみ。
情報系は以下で。
■武藤敬司ついに引退〜入場、内藤哲也&蝶野正洋戦、古舘伊知郎さん詩、試合後コメント、話題の動画&記事、裏話、あの人が観戦、など‥引退試合関連情報集: プロレス専門ブログ・ブラックアイ3
http://blackeyepw.com/article/190193061.html
■オカダカズチカがvs清宮海斗に終結宣言、小島聡がNOAHから離れると発言〜2.21 NOAH・東京ドーム大会、メイン以外の情報集: プロレス専門ブログ・ブラックアイ3
http://blackeyepw.com/article/190194305.html
■武藤敬司引退試合・vs内藤哲也。情報&関連記事・動画まとめ: プロレス専門ブログ・ブラックアイ3
http://blackeyepw.com/article/190143293.html
■オカダ・カズチカvs清宮海斗〜2.21東京ドーム、情報&関連記事・動画まとめ: プロレス専門ブログ・ブラックアイ3
http://blackeyepw.com/article/190144425.html
武藤敬司引退試合
武藤敬司のコンディシヨンは思ったほど悪く感じなかった。そら全盛期にはほど遠いが、もっとボロボロに、立つのもやっとなような展開が続くのかと想像していた。それこそ灰になるように。
試合が近づき漏れていた弱気な発言も、そういう展開を印象付けるための準備、マジックを起こすために一回下げているかぐらいに疑って実は見ていたのだが、あれはほとんど本音だったのだろうということになる。
結果としてやはり引退試合は"名作"となった。
入場・グラウンド・大技・リスペクト・フィニッシュ・試合後、蝶野戦、セレモニー、10カウントなし全てが語りどころ、印象を強く残す。
様々な名シーンが生み出されたが、自分が最もテーマとして濃く記憶されたのは、自らの足で長い花道を帰っていったということ。
ムーンサルトは未遂に終わった。もうリングで戦うことはないのだから、最期だから、捨て身で飛ぶのもアリだったかもしれない。
でもそれを2度もとどまったのは、メッセージだと自分は受け取る。
どんなに激しい試合をしても、プロレスラーは自分の足で花道を戻り、家族のもとに帰るべき。
葛西純の伝説マイクにも重なる部分ある、長い闘病からの復帰戦で勝利したフジタ“Jr”ハヤトは「『本気で闘えなくなってもいいからリングに上がる』って思ってるやつがどこにいんだ」と試合後叫んだ。
そしてこれは、悲しい出来事のあったあとのプロレスリングNOAHが、強く誓っていることでもある。
引退試合をできずにリングを去った盟友をファンの前に蘇らすと同時に、後輩プロレスラーにとって、お手本となる引き際をしっかり残していった。
正直、"自分中心"のような印象のあった武藤敬司が、ここまでプロレス界を、後輩を含めた他のレスラーを、考えていたのは意外でした。
「相手の光を消す」なんてよく言われていましたからね。タッグマッチだと全部食っちゃうから気をつけろ、とか。
でも、ここ1〜2年、NOAHに来てからは変わった気がします。団体代表から選手専念となったのが大きかったのでしょうか。
NOAHに来たのは間違いなく正解。W-1でこれだけの引退大会ができたかといえば難しいし、新日本なら主役にしにくい。
サイバーエージェントは、プロレス史に残るおお仕事をやってのけた。関わった人は一生誇ってください。
内藤哲也も大仕事をやり遂げた。
内藤選手にかぎらず、新日本にとっては大きすぎるプラスのあった大会。
オカダ・棚橋に比べ、世間的な知名度がやや低いと言われる内藤哲也だが、武藤戦でだいぶ変わったのでは。
新日本もビッグマッチは定期開催してますが、また世間への響き方が違う大会でしたから、そこでオカダ選手とともにインパクトを残せたことで、お土産はできたはず。
NOAHや団体枠を超え、プロレスというジャンルに強く影響を与えた大会。
最高にカッコイイ終わり方。
古舘伊知郎さんは「昭和が終わった」と語っていましたが、どちらかといえば武藤敬司は、平成を代表するレスラー。
"今のプロレス"は、「プロレス・ラブ」の言葉を信じ造られたもの。
この先どうなるかが、ジャンルとしても正念場である。
オカダ・カズチカvs清宮海斗
さてさてこちらは問題作? いや、ある意味心に深く刻まれたか。
マスコミ記事には「オカダ圧勝」という言葉が見られ自分は「完勝なら分かるが」とケチぉつけたのですが、辞書によると、完勝のほうが圧勝より差をつけて勝つことだとあるので、これは自分の間違いだと訂正します。
‥じゃあ、完勝じゃないよ(笑)。
いや、プロレスで引き離して勝つってゴールドバーグとかロードウォリアーズのイメージなんですよ。
何もせめていないわけではないし。一時的に攻める時間を与えられたにしては長めだし。
清宮のエルボーにダメージから下を向いた場面はあった、場外戦、腕殺しとせめてはいるわけで。
ただ終盤は圧倒された。最初から、オカダ選手は攻守が入れ替わるような好試合をする気は感じられなかった。喧嘩モードの因縁マッチの回答がコレなんだろうし、清宮選手が互角な試合をするまで来ていないということでもあるのだろう。
文句なしの決着である、それは間違いない。
実力差については、1週間前の大阪府立連戦における「オカダvs鷹木信悟」と「清宮vsモリス」でも内容は新日本が大差の勝利であった。好試合を求められてのこれなんだから、ドームより申告に考えるべきではとも思ってる。マッチメイクがどうなんだって話でもあるが。
しかし恐ろしい。
メインが引退という「終わり」を見せるカードだったのだから、セミでは強く「続き」を魅せてほしかった。
それでも、これで全く先につながらないわけではない。
プロレスはどうあっても続く。
新日本にとっては大きな勝利。
昭和の時代から、新日は業界トップであることを大半のファンから求められてた。上がり下がりを繰り返した時期もあるが、2010年頃からは"1強"状態で勝ち続け、業界を引っ張り上げた。
ちょっと忘れかけているが、ここ1〜2年の新日本は、コロナなどの影響で不振が続いた。
ここで「NOAHなんて相手にならないよ」という強さを打ち出すことで、新日本らしさと去ったファンを取り戻して、プロレスというジャンル自体を復活させてほしい。
オカダ・カズチカも、スランプや風船とかありましたが、基本は勝つことでここまでになったレスラーだ。
新日本側の"続き"はそれだろう。
NOAHはどうするのか。
清宮海斗は、もう一度上を目指さなければならない。
引退興行当日の朝にアップされた武藤敬司インタビューから。
■【ノア】武藤敬司「お客はその姿が見たいんだ」 いよいよ引退試合・内藤戦で貫く美学′ヴ | 東スポWEB
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/254597?utm_source=pocket_saves
武藤は「レスラーにとって大事なのは、負けなんだよ。ある意味で勝利よりも大事かもしれねえ」と切り出すと「俺たちってさ、負けから這い上がる姿をいかに見せられるかなんだと思うんだよ。俺だって負けてばっかりだ」と説明した。
(中略)
これらの負けも、勝ち試合と同様にインパクトを残した自負がある武藤は「みんな誰だって生きていれば、勝ちよりも負けの方が多いものなんだよ。ずっと負けが続く時期だってある」と語る。
その上で「だからこそレスラーはお客に、立ち上がる姿を見せなきゃいけないんだよ。当たって砕けていいんだよ。当たって砕けてからもう一度立ち上がって、当たればいい。お客はその姿が見たいんだ」。どんな過酷な試合でも最後まで諦めない姿勢で、ファンに勇気や元気を与えるのが本当の仕事≠セと力説。内藤戦では職務を全うする自信があるのだ。
立ち上がる姿を見せるのがプロレスというのは本当だろう。
今や"価値組"感が売りの新日本も、00年代"冬の時代"から、復活し立ち上がる姿が基盤にあった。
清宮海斗は"本当の仕事"を達成することはできるのか。
今のところ、オカダとのリマッチは想像できない。雰囲気的には、新日本とNOAHの交流は終了だ(小島聡がNOAH離脱)。
立ち上がるには長い時間がかかりそう。
幸いにも、ドームが大成功したことで、ABEMA との繋がりは強くなるはず。興行収入もかなりのもの。
大会前アップのABEMA・PPVに関する話ではこんなことも。
■武藤敬司の引退試合を独占生中継 ABEMAとプロレスリング・ノアが変えるプロレスビジネス:PPV成功の要点(2/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2302/18/news032_2.html
北野氏はかつてテレビ朝日で新日本プロレスを担当していた。彼にはそのときに、新日の復活の一翼を担った成功体験がある。
「集英社から『燃えろ! 新日本プロレス』を出版しました。かなりの売り上げがあり、新日本プロレスに収益をお戻しできました」
新日本プロレスの執行役員だったこともある武田氏も同意する。
「あの本で新日本は潤い、若手に投資ができて、生き返るきっかけとなりました。今回も武藤さんの引退によって収益を上げ、若手に投資したいです。レスラーが潤えば、コンテンツの質が上がり、団体の発展につながります」
大河ドラマを体感できる準備は整っている。。
もちろん何も確約はされていない。勝つのにふさわしいプロレスラーにならないと。
でも追うのに値する何かはあるのです。ずっとそれは感じてる。
今回だいぶかき乱されて、改めて俺は清宮に賭けているのだと気付かされました。
結局、続きが気になっている。
ここまで下げて清宮は、NOAHは、本当に大丈夫なのか?という不安はある。
でもそこは、「立ち上がる姿を見せてこそプロレス、プロレスのチカラを信じろ」ということなのだろう。
あと発端の顔面蹴りについてあんまり言えてないのだが‥最終的に、秋山準と遠藤哲哉が損してない?
負傷させるような行為は当然ダメなんだけど、ファンにそのイメージを強く持たせてしまうのは、プロレスラー側がやりにくくなる気がするんだよなぁ。
「なんでもやってこい!」と表で言って、裏では気をつけるってのがベストだと思うのだが。
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