ライター・翻訳者として活動されている「OmasukiFight ( https://twitter.com/omasukifight)さんが 、プロレス関連の本を翻訳されたとのことを知る。データ系の興味深い内容、読ませていただきました。
気鋭のプロレス研究者@BrandonThurstonが、濃密なデータ分析に基づいて現代プロレス業界の問題点を赤裸々に解き明かす!未来を見据えるプロレス関係者・ファン待望の必携文献の日本語版がいよいよ登場!私が翻訳しました!自粛黄金週間のお供にぜひどうぞ!@wrestlenomicshttps://t.co/N4mFP2ItJk
— OmasukiFight (@omasukifight) April 30, 2020
ちなみに書籍でなく、ダウンロードして読むものです。
プロレス業界気鋭の研究者ブランドン・サーストンが、濃密なデータ分析に基づいて、現代のプロレス業界の問題点を赤裸々に解き明かす!
アメプロ好きなくせに英語が全く苦手な私のようなものには、翻訳本は有り難い。有名レスラーの自伝でも、なかなか日本語版は出版されません。
WWE・AEW・新日本などの各種データがズラリ
ページを開くとグラフがドドン。各種データが次々と。主要プロレス団体の売上と観客動員に関するデータを完全収録上場企業だけにWWEのデータは細かく出ています。
・テレビ視聴率
・サブスクサービス
・Google検索の動向
・YouTube / SNS
・各団体財務状況 など
その他、AEW、ROH、インパクト、そして新日本プロレスのデータも。様々な点で比較されている。
新日本は視聴率などはありませんが、海外サイトで行われている大会の評価がデータ化されていたりはします。
AEWとNXTの水曜TV戦争も当然押さえている。
もう、このデータを手にれるだけでも十分なほど。
第2章以降には著者による分析が始まる。これもなかなか読み物として面白い。
WWEには基本的に厳しい(笑)。データの裏付けがありますから、自信あってのことでしょう。
2019年までは会社として絶好調だったWWEですが、これもTVコンテンツを求めるエンタメ界の需要があってこそ、内容が良くて好調なわけではないとバッサリ。。
ビンス・マクマホンには特に厳しい。
WWEでは年次報告書で自社が直面する事業リスクの1つとして、長年WWEのかじ取りをしてきたビンス・マクマホンの死去をあげている。ところが実際には、マクマホンがWWEのクリエイティブ部門のトップを務め続けていることこそ、WWE最大のリスクなのだ・・・後半に出てくるWWEの現状を現す記述には爆笑してしまいました。そこまで言うのかと。
購入して確認ください。
AEWがWWEのライバルとなり得るかもいろいろな面から探られている。
団体ごとの考察も。
ROHも厳しい。
そして新日本プロレス。世界的な視点で分析。かなり的確と感じました。
”この10年間の新日本プロレスの成功からは学べること、それは、プロレスのブランドというものは、中身がよくて、スターが育っていて、ファンからの信頼を勝ち取ることができれば、言語や文化の壁があっても、メディアに恵まれていなくても、海外市場で人気を根付かせることができる、ということだ。
優秀な点も紹介したうえで、問題点もシッカリ挙げている。「なるほど」と言えることばかり。
という感じで面白く読ませて頂いたのだが、ここに掲載されているデータは2019年まで。
2020年は新型コロナがやってきます。現在進行形で先が見通せない、どうなるか分からない。
これまでと全く違う世界になってしまうかもしれない。プロレスがどうなるかなんて誰も分かりません。
コロナ前1年の世界プロレスをちょうどまとめたような内容にもなってしまっているのです。
「1年後に無観客だらけになってる業界」とのサブタイトルを個人的にはつけたい。また違った印象になるのでは。
スリング業界動向レポート日本語版 2019年度版 | WRE...
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