2019年06月03日

AEW旗揚げ戦のベストバウトは、ケニー・オメガでもヤングバックスでもなく、CODYvsダスティン・ローデスの異母兄弟対決だった

カテゴリー:AEW





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  毎度、今更ですがAEW旗揚げ戦戦の感想を。
 CODYvsダスティン中心で。


虚実入り混じる素晴らしきプロレス

 もしかしたら、2019年で最も注目すべき大会だったかもしれないAEW旗揚げ戦「Double or Nothing」、そこで最も印象に残った試合は、ケニーvsジェリコでもなく、ヤングバックスvsルチャブラザーズでもなく、「CODY vs ダスティン」でした。
 正直、私の中での期待度は低め。やはりダスティン・ローデスの50歳という年齢が大きい。彼の試合ぶりの素晴らしさは分かっていたつもりではあったが、WWEで全く絡んでいなかったわけでもなく、他カードに比べインパクトは薄く感じていた。

 しかし、終わってみれば大感動。まさかの名勝負誕生である。

 入場時から両者は強烈なアピールを行う。

 CODYはHHHを連想させるハンマーで玉座をたたき壊すというパフォーマンス。
 対するダスティン・ローデスは、顔面の真ん中で2つに分け、半麺はオドロオドロしいペイント、もう半麺は全くの素顔で登場。

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 素の自分とリングに上がる自分、2つの顔があるということか。

 試合中盤、ダスティンはコーナーの金具か鉄柱に頭部を打ち付け、デスマッチでも滅多に見られないレベルの大流血をしてしまう。
 鮮血は顔面を覆い隠すほどの量。
 顔反面はもともと赤い系でペイントされていたこともあるが、気づけば、ダスティンの2つに分かれた顔は、ドス赤い血の色だけになっていた。

※流血注意


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 真っ赤。
 WWEでは御法度とされる流血により、2つに分かれていた顔が1つに合わさる…。
 「プロレス」にとって最も大事だと自分が思っている「虚」と「実」が入り交じる様子を表現してみせたような。
何度もリングネームやキャラを変えているダスティンが、WWE以外のリングに上がることで“プロレスラー”として完成した、もしくは新たな境地に入った…そんな見方は深読みしすぎだろうか。
 もちろんWWEだってリアルとフェイクが重なるグレーな世界であるが、ダスティンは、それとは別の何かが見えていたのかもしれない。そしてそれを、AEWの観客に伝えたかったのでは。

 試合後、“兄弟”としてガッチリ抱き合った2人、「リアル」でもあるし、「アングル」という見方もできる。
 しかし、それを見ている私を含めた観客が心遊佐ぶられていいたことは間違いなく「リアル」。
 プロレスでしか味わえない感動。私の考える理想の「プロレス」の形の一つです。
 CODYとダスティンにここまで響く試合をさせられるとは思いもしなかった。
 “流血#”という近代メジャープロレスが捨て去ろうとしているモノが大きな役割を果たしていた点も最高だ。


 試合以外のことばかり書いているが、内容もなかなかのもの。
 使う技の意味合いが見えるので、展開がスルスルと頭の中に入ってくる。
 技を繰り出すタイミングも絶妙。
 またダスティンが大流血したことで、間合いが多く生まれてはいたが、今回のようなドラマ性が強いものなら、観客に想像する時間を与えることが特に大事になる。
 余白や行間のある試合。
 世界最先端のファイトを求められているだろうAEWだが、どちらかと言えば古き良きアメプロに近いようなスタイルだったCODYvsダスティンが一番評判良いというのは面白い現象。
 4の字固めを極められたダスティンが、血だらけの顔で絶叫する絵は、後々まで語り継がれることになりそう。

 ダスティンが“今風のプロレス技”に寄せて放ったであろうヨシタニック(別名スペルラナ)も印象に残る。
※追記:ヨシタニックはゴールダストとしてこれまでも使っていた技だそうです。失礼しました。以下数行、無視して下さい
 この技、インディ出身のケビン・オーエンズと対戦した際、ジョン・シナが使っている。「オーエンズのスタイルに寄せた技」として繰り出したのではないかと自分は見ているのだが、今回のダスティンも意味合いは近いのかも。
 時代が違っていれば、天龍源一郎が使いそうな気がしないでもない。
 ヨシタニックという技にも想像は膨らむ。


 この試合、CODYも素晴らしかったが、やはりダスティンに驚かされた。
 コレと言った大舞台に上がらない時期が続き、今年に入ってからはWWEに所属しているのかどうかもハッキリしないような状態だった選手がここまで活躍する。
 「飼い殺しはいけませんよ」と誰もが思うことでしょう。
 これがWWEに対する最大のアンチテーゼなんじゃなかろうか。。
 …逆に縛りガキツクナル可能性もあるので恐くもあるが。


大会としては大成功だが・・・

 AEW旗揚げ戦、大会自体の評判はかなり良く、自分もかなり楽しんで見られたのだが、CODYvsダスティン以外のカードは、そこまでのインパクトは残せず。バーを高く設定していたからというのはありますけどね。正直、サプライズに助けられた印象も残る。
 メインのケニー・オメガvsクリス・ジェリコは、2018年1月4日の初対決での攻防を再現し、その少し先を見せるようなものが幾つかあり、「新日本の試合をAEWの試合として塗り直しているようにも感じた。
 ジェリコの新フィニッシュホールドのエルボーが拍子抜けぎみだったこともあり、やや物足りず(オカダ線でも使うのだろうか?)。
 ジョン・モクスリー乱入で吹き飛んでしまうんですけどね。
 データを活用し、スポーツライクなスタイルを目指すとも言われていたが、終わってみれば乱入はバンバンあるし、流血はあるし、日本人女子6人タッグが明らかに目新しかったぐらいで、そこまで斬新さは感じなかった。

 ただ、ダスティンのように、観客が想像もしない選手が、一夜にしてブレイクできてしまう可能性を持つ場だというのを、世界中に知らしめられたことが一番大きいのでは。
 次は中澤さんだって…。



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■ダスティンローデスが語るコーディとの試合、彼が思うWWE社内の反応「本当はあの場で引退するつもりだった」、コーディ「トリプルHの王座を破壊したのは…」 | MOONGOOSE2.com
 http://moongoose2.com/translation/dustin-almost-retired-at-aewdon

■性倒錯キャラゴールダストの主張――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第196回(1995年) - Ameba News \[アメーバニュース\
 https://news.ameba.jp/entry/20161007-302


タグ:AEW 観戦記

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posted by sugi
2019年06月 23:56 | Comment(2) | AEW
この記事へのコメント
水を差すようですみません
ヨシタニックはWWEにゴールダストで戻ってきた時から使ってる割とおなじみの技です。
Sunset Flip Powerbombでググればすぐ出ると思います。
今回に限っての特別な意味合いは恐らく無いかと…
Posted by あ at 2019年06月04日 01:00
> あさん

言われてみると…やっていたような。お恥ずかしい。
記事は修正します。ご指摘ありがとうございます。
Posted by 管理人・杉 at 2019年06月04日 17:24

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