新日本ワールドで観戦した新日本プロレス・大阪府立2連戦の感想を書いておきます。
申し訳ないが注目のG1公式戦のみとなります。
飯伏vs内藤、石井vsケニー
■8月4日 大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)
https://www.njpw.co.jp/tornament/141596?showResult=1
■ワールド映像:https://njpwworld.com/pg/s_series_00490_28
▼セミ:Bブロック公式戦
○石井智宏(22分42秒 垂直落下式ブレーンバスター)●ケニー・オメガ
主導権は常にケニー。
石井もガンガン攻めるが、攻防の最後の技を決めるのはケニー。
しかし終盤、そのパターンを崩したのは、片翼の天使を切り返し放った石井の「逆打ち」。
みちのくプロレスの、のはしたろう(現東北Jrヘビー級王者)が長年使っているフィニッシュホールド。高速でマットに叩きつける変速の横十字固め。
石井選手は初公開? 過去にファー・イースト・コネクションというユニットで、みちのくプロレスにレギュラー参戦経験ありますが、のはし選手との繋がりはあるんですかね?
大畠美咲選手など他にも使う選手はいることはいますが、みちのくルーツだたら嬉しいなぁ。そういやムーの太陽の「メシア降臨」という代表技は、中邑・オカダ・石井でケイオスが先に出しているんですよね(石井=サスケの位置)。その時のトレードということにはならないかな?(ならない)
逆打ち以降、石井の攻撃が上回り始めるも、ケニーも全く動きは止まらない、なので攻防の激しさは増していくばかり。
いつの間にか両者流血。
最後は石井が必殺の垂直落下ブレーンバスターをズドン。
ついにケニーの連勝がストップ。でも、これまでと強さは変わらず。ザック戦で調子狂ったということもないでしょう。
それを石井が上回った。逆打ちという奥の手をキッカケに。
ノンストップの削り合いでありながら試合を左右する技をハッキリ見せているのが素晴らしい。
既に優勝戦線からは脱落している石井だが、王者に勝ったことでIWGP挑戦は見えてきた。
両国かな? やるならメインですよね。これは楽しみ。
石井、無敵モードがちょっと多いかな…というのが自分的には引っかかるが、とにかく今シリーズ素晴らしい試合を連発しています。
▼メイン Bブロック公式戦
○飯伏幸太(25分9秒 カミゴエ)●内藤哲也
セミの石井vsケニーがとんでもない盛り上がり、負けじと開始から飛ばしていきそうなものだが、内藤はマイペース貫く。場外で合間をとり、じっくり足攻め。ガンガン攻めたそうな飯伏とは対照的、まさにトランキーロ。
大阪独特のブーイングもジックリ攻めたい内藤には追い風。
しかし終盤からフィニッシュまでの飯伏はとんでもなかった。
極めつけはデスティーノを切り返しての変形ノーザンライトボム。技というか、流れの中で抱えたまま頭から垂直に落とした…というような。
狂気に満ちた畳みかけからカミゴエで飯伏勝利。
内藤の試合ぶりは相変わらず悪くない、でも結果がついてこない。G1優勝すれば大逆転だが、どうか。
この試合は、前半戦で飯伏が溜めたストレスの爆発っぷりが内藤の想定以上だった…という感じか?
相手が内藤だからこその狂いっぷりとも言えるが…これがケニー戦だとどうなるか。
いよいよ武道館が見えてきましたね。
そういや、この日も狙った雪崩式パイルドライバーって、前回のケニー戦を前にした公開練習で伊橋剛太に放ているのですよね(試合では使っていない)。
日に日に、ケニーvs飯伏のことを考える時間が増えているのに気づきます。
棚橋vsエルガン、オカダvsEVIL
■8月5日 大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)https://www.njpw.co.jp/tornament/141598?showResult=1
ワールド映像:https://njpwworld.com/pg/s_series_00490_30
▼第7試合 Aブロック公式戦
○ハングマン・ペイジ(12分5秒 ライト・オブ・パッセイジ)●鈴木みのる
鈴木みのるの恐さが全開。しかしペイジはビビることなく反撃するので試合は白熱。
最後は鈴木がゴッチ式パイルの体勢になったところ、逆にペイジがライト・オブ・パッセージ決め勝利。良い意味で突然すぎたラスト。驚きと興奮入り交じる余韻。
諏訪魔のラストライドと大森隆男のアックスギロチンドライバーをかけ合う攻防を思い出した。あれも毎回盛り上がる。
▼セミ Aブロック公式戦
○棚橋弘至(16分3秒 首固め)●マイケル・エルガン
個人的に注目していた一線、エルガンのパワー・攻め手の多さに棚橋がどう対応するか。
結果は、真っ向勝負の末に丸め込みで棚橋が勝利。
エルガンの良さを殺すような動きはあまりなかった。
新日本正規軍対決だからそうなるのは当然とも言えるが、エルガンの痛めている肩や腕に一点集中するという手もあったはず。でもやらなかった。
エルガンは雪崩式ブレーンバスター、強烈ラリアット、BTボムなど次々に強烈技を炸裂させる。
棚橋もテキサスクローバー、スリングブレイドなどでやり返してはいるが、やっぱり目立つのはエルガンの破壊力。徐々に追い込まれるも今の棚橋は耐える姿も一つの武器。
「相手の力を引き出したうえ超えていく」という意味でも「相手の力を受け流す」という意味でも、アントニオ猪木の「風車の理論」を自分は連想したがどうか。
ただ、だからこそ、フィニッシュの丸め込みがスッポ抜けぎみだったのは残念。
ここまで一つ一つの技を大切に使っていた棚橋選手ですから、相当悔しいでしょうね…。
思わぬ結末になってしまった。
▼メイン Aブロック公式戦
○オカダ・カズチカ(18分27秒 レインメーカー)●EVIL
G1・府立ということでオカダにとっての昨年公式戦リベンジ戦のように見られるが、10月・両国のIWGP戦を忘れてはいませんか? 確かに記憶から消したくなるような内容ではありました。あのタイトル戦のリベンジが優先。
結果としては見事な試合に。
掟破りのレインメーカーに、オカダは掟破りEVIL(技)でやり返す。
「最初からレインメーカー封じを目的に開発されたのでは?」という噂まであるEVIL(技)、それにオカダが助けられるというドラマ。
この攻防の先に、もう一度、盛り上がりどころあっての決着。EVIL(選手)、敗れたが今回は文句なし。
オカダのローリングラリアット(ローリングレインメーカー?)もだんだん流れにハマってきた。
あれが定着するとレインメーカーの一撃必殺っぷりが蘇るのではないかと期待している。
レインメーカーcsEVIL(技)の仕掛け合いは対戦する度に進化していきそうな予感。
大阪2連戦、さすがの盛り上がり。
スタイルのイデオロギーぶつかり合いも、前半戦ほどではないがシッカリあって、いろんなタイプの試合見られ面白い。
さて、いよいよG1は関東再上陸。終盤戦ヘ。
優勝争いは、Aブロック=棚橋・オカダ・ジェイ、Bブロック=ケニー・飯伏・内藤に絞られてきました。